○東松島市議会基本条例

平成23年1月28日

条例第2号

目次

前文

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第3条―第8条)

第3章 市民と議会の関係(第9条)

第4章 議会と市長等の関係(第10条―第12条)

第5章 自由討議による合意形成(第13条)

第6章 政務活動費(第14条)

第7章 議会事務局の体制整備等(第15条・第16条)

第8章 議員の政治倫理、議員定数及び議員報酬(第17条・第18条)

第9章 最高規範性及び見直し手続き(第19条・第20条)

附則

前文

近年、国から地方への権限移譲により、地方自治体の自己決定・自己責任の拡大が進む中で、これまで以上に地方議会が果たすべき役割及び責務が大きくなっている。

東松島市議会(以下「議会」という。)は、市民の選挙により選出された議員により構成され、同じく市民の選挙により選出された市長との二元代表制であるとともに、市の最高の意思決定機関である。

市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)と緊張ある関係を保ちながら、市政経営について調査、監視及び評価を行うとともに、政策の立案及び提言を行うことが求められている。

議会は、今後も議会の活性化を積極的に推進し、市政に対する市民の意思の反映に全力を尽くすため、ここに、議会の基本理念、議員の責務及び活動原則、議会運営の原則、議会と市民及び市長その他の執行機関との関係等に関する基本的事項を明らかにし、将来にわたって市民の負託にこたえるため、東松島市まちづくり基本条例を尊重し議会の最高規範として、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、議会の運営全般に関する基本的な事項を定め、二元代表制における意思決定機関として、市民に開かれた議会活動を行い、市民の福祉向上及び市政の進展に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第2条 議会は、市政における最高の意思決定機関として地方分権時代を先導する議会を目指し、市民の意思を市政に反映させるため、公平かつ適正な議論を尽くして自らの責任と権限による地方自治の実現に取り組むものとする。

2 議会は、多くの市民が議会の運営及び活動に対して関心を持てるよう努めるものとする。

3 議会は、市民が議員の活動を的確に評価し、一般選挙の判断基準とされるよう努めるものとする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第3条 議会は、次に掲げる事項に基づき活動するものとする。

(1) 公正性及び透明性を確保するとともに、市民に開かれた議会を目指す。

(2) 市民の多様な意見を把握し、政策形成に適切に反映できるよう、市民参加の機会の拡充に努める。

(3) 市民の視点を活かし、議員の自由な議論・討論を行い、政策提言、政策立案等の強化に努める。

(4) 市民本位の立場から、適正な市政運営が行われているかを監視し、評価する。

(5) 議会運営は、市民の傍聴の意欲が高まるよう、分かりやすい視点、方法等で行う。

(委員会の活動)

第4条 議会は、審議の迅速かつ能率的な処理を図るとともに、議員の専門的な知識や経験を活かすため、常任委員会及び議会運営委員会を置く。また、必要がある場合には、特別委員会を置くものとする。

2 常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)は、社会・経済情勢等により新たに生じる行政課題に適切かつ迅速に対応するため適切な運営により機動力を高めるものとする。

(議員研修の充実強化)

第5条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上等を図るため、議員研修の充実強化を図るものとする。

2 議会は、議員研修の充実強化に当たり各分野の専門家、有識者等と議論する機会を活用するものとする。

(議会広報の充実)

第6条 議会は、市民との情報の共有化を図るため、議論・討論の内容を市民に対して周知するよう努めるものとする。また、議員は、自らが問題意識を持ちながら広報・広聴活動を行わなければならない。

2 議会は、議会説明会の開催や議会広報紙の発行、インターネットなど多様な広報媒体を活用することにより、多くの市民が議会に関心を持てるよう努めるものとする。

(議員の活動原則)

第7条 議員は、議会が言論の場及び合議制であることを認識し、議員間の自由な議論及び討議の推進を図らなければならない。

2 議員は、市民の代表としてふさわしい活動を行わなければならない。なお、活動に当たっては、市政の課題全般について、課題別及び地域別に市民の意見を的確に把握し、反映しなければならない。

3 議員は、議会の構成員として、市民全体の福祉の向上を目指して活動しなければならない。

(会派)

第8条 議員は、議会活動の円滑化及び効率化を図るため、理念を共有する者で構成される会派を結成することができる。

2 会派は、政策立案、政策決定、政策提言等に関し、議員間の議論を深め、その実現に努めなければならない。

3 会派は、その活動について、議長に報告し市民に対して説明するよう努めなければならない。

第3章 市民と議会の関係

(市民参加及び市民との連携)

第9条 議会は、市民に対しその有する情報を発信し、情報の共有を推進するとともに、説明責任を積極的に果たすものとする。

2 議会は、本会議のほかすべての会議について、原則公開するものとする。

3 議会は、委員会の運営に当たり、公聴会制度及び参考人制度を十分活用して、市民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努めるものとする。

4 議会は、市民自治の視点による請願・陳情を市民提案と位置づけ、その提案者の説明を聴く機会を設けるよう努めるものとする。

5 議会は、主要な議案に関する個々の議員の採決を公表する等、議員の活動が市民の的確な評価を受けるための仕組みを策定するよう努めるものとする。

第4章 議会と市長等の関係

(議会及び議員と市長等の関係)

第10条 議会の本会議における代表質問及び一般質問は、一問一答方式とする。

2 議員は、市政の論点又は争点を明確にし、議論するよう努めなければならない。

3 議長の求めに応じて本会議及び委員会へ出席する市長等は、議員の質問及び質疑に対する説明をより的確に行うことができるよう、別に定める運用により議長又は委員長の許可を得て質問者に反問することができるものとする。

(政策形成過程等の監視及び評価)

第11条 議会は、市長が提案する重要な政策について、政策評価をとおして政治的責任を十分行使するため、市長に対し、次に掲げる事項について明らかにするよう求めるものとする。

(1) 政策等の提案理由

(2) 他の自治体の類似する政策との比較

(3) 市民参画の有無及びその内容

(4) 政策決定に使用した情報と公開の有無

(5) 総合計画との整合性

(6) 財源措置

(7) 将来にわたるコスト計算

2 議会は、市長が予算案及び決算を議会に提出し、議会の審査に付すに当たっては、前条の規定に準じて、市長に対し施策別の分かりやすい政策説明資料の提出に努めるよう求めるものとする。

(議決事件の拡大等)

第12条 議会は、地方自治法第96条第2項の規定による議会の議決すべき事件について、議会の監視機能上の必要性と市長の政策執行上の必要性とを比較考量し、別に条例で定めるものとする。

2 議会は、市長等が各行政分野における基本的な計画の策定、変更等をするために計画の概要を公表し、広く市民等から意見等を募集するときは、あらかじめ、市長等に当該計画の策定、変更等を行う理由及び概要の説明を求めるものとする。

第5章 自由討議による合意形成

(議員間の自由討議)

第13条 議長及び委員長は、議会が議論及び討議の場であることを認識し、市長等に対する本会議等への出席要求を最小限にとどめ、議員間の討議を中心に運営しなければならない。

2 議会は、議員間の議論・討議について、会派の方針に捉われることなく自由討議を中心とし議会の自律性を高めるものとする。

3 議会は、本会議及び委員会において、市長の政策提案・市民提案等の結論を出すに当たり議論を尽くしたうえで合意形成に努めるとともに、市民に対する説明責任を果たすものとする。

第6章 政務活動費

(政務活動費の執行及び公開)

第14条 会派は、議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として交付された政務活動費を効果的かつ効率的に活用し、政策の形成及び決定に反映するものとする。

2 議会は、政務活動費の使途の公正性及び透明性を確保するため、収支報告書及び関係図書を公表するものとする。

3 政務活動費の交付を受けた会派は、1年に1回以上、その活動状況を市民に報告しなければならない。

4 前3項に定めるもののほか、政務活動費に関しては、別に条例の定めるところによる。

第7章 議会事務局の体制整備等

(議会事務局の体制強化)

第15条 議長は、議会の政策能力を向上させ、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、議会事務局の機能の強化及び組織体制の整備を図るものとする。

2 議会は、地方分権時代にふさわしい議会のあり方について調査研究するため、他の自治体の議会等との交流及び連携を推進するものとする。

3 議会は、議事機関としての機能を確保するとともに、より円滑な議会運営をするため、必要な予算の確保に努めるものとする。

(議会図書室の活用)

第16条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上を図るため、図書及び資料の充実に努めるものとする。

2 図書室は、議員のみならず、誰もが利用できる開かれた施設として、利用促進に努めるものとする。

第8章 議員の政治倫理、議員定数及び議員報酬

(議員の政治倫理)

第17条 議員は、市民からの負託を受けた者として、その活動に公正性・透明性等が求められることから、別に定める条例及び議員の倫理等に関する議決事項を遵守しなければならない。

(議員定数及び議員報酬)

第18条 議員定数及び議員報酬は、別に条例で定める。

2 議員定数及び議員報酬の改正に当たっては、行財政改革の視点だけではなく市政の現状と課題、将来の予測と展望を考慮するとともに市民等の客観的な評価等を参考としなければならない。

3 議員定数及び議員報酬の条例改正は、市民の直接請求及び市長の提案を除き、委員会又は議員が提案し、その理由について説明するものとする。

第9章 最高規範性及び見直し手続

(最高規範性)

第19条 この条例は、議会における最高規範であり、議会に関する他の条例等を制定し、又は改廃するときは、この条例に定める事項との整合を図らなければならない。

(見直し手続)

第20条 議会は、一般選挙を経た任期開始後、できるだけ速やかに、この条例の目的が達成されているかどうかを議員全員において検証するものとする。

2 議会は、前項による検証の結果に基づいて、この条例の改正を含む適切な措置を講じるものとする。

3 議会は、この条例の改正を行う場合には、本会議において改正の理由及び背景を説明するものとする。

この条例は、平成23年4月1日から施行する。

(平成25年2月21日条例第8号)

この条例は、平成25年3月1日から施行する。

東松島市議会基本条例

平成23年1月28日 条例第2号

(平成25年3月1日施行)

体系情報
第2編
沿革情報
平成23年1月28日 条例第2号
平成25年2月21日 条例第8号