○東松島市認知症総合支援事業実施要綱

平成30年4月2日

訓令甲第42号

目次

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 認知症初期集中支援推進事業(第5条―第10条)

第3章 認知症地域支援・ケア向上事業(第11条―第13条)

第4章 雑則(第14条―第16条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この訓令は、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第115条の45第2項第6号の規定に基づき、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けるために、本市が実施する東松島市認知症総合支援事業の実施について必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この訓令において用いる用語の意義は、法、介護保険法施行令(平成10年政令第412号)、介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号。以下「省令」という。)、介護予防・日常生活支援総合事業の適切かつ有効な実施を図るための指針(平成27年厚生労働省告示第196号)、介護予防・日常生活支援総合事業のガイドラインについて(平成27年6月5日老発0605第5号厚生労働省老健局長通知)及び地域支援事業の実施について(平成18年6月9日老発第0609001号厚生労働省老健局長通知)において用いる用語の例による。

(事業)

第3条 市長は、東松島市認知症総合支援事業として、次に掲げる事業を行うものとする。

(1) 認知症初期集中支援推進事業

(2) 認知症地域支援・ケア向上事業

(3) その他認知症の人と家族等に対する支援に関し必要な事業

(事業の実施)

第4条 認知症総合支援事業の事業主体は東松島市とする。ただし、当該事業を他に委託することにより適切な事業運営が確保できると認められるときは、省令第140条の67の規定に基づき、市長が適当と認める者に当該事業の全部又は一部について委託(以下「事業委託」という。)することができる。

2 事業委託に係る業務の範囲、条件その他必要な事項は、事業委託を行う法人その他の団体との協議により、別に定める。

3 市長は、前項の規定により事業委託を受けた者の行う事業について、適切な運営が確保されない場合又はそのおそれがあるときには、事業委託を解除することができる。

第2章 認知症初期集中支援推進事業

(認知症初期集中支援推進事業)

第5条 市はこの章に定めるところにより、認知症の人やその家族に早期に関わる「認知症初期集中支援チーム」(以下「支援チーム」という。)を配置し、早期診断・早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする認知症初期集中支援推進事業を実施する。

(実施体制)

第6条 市長は、事業を実施するため、高齢障害支援課(以下「担当課」という。)に支援チームを配置し、認知症に係る専門的な知識・技能を有する医師の指導の下、複数の専門職が家族の訴え等により認知症が疑われる人又は認知症の人及びその家族を訪問し、観察・評価し、及び家族支援などの初期の支援を包括的、集中的に行うことにより、自立生活のサポートを行うものとする。

(訪問支援対象者)

第7条 この訓令において、訪問支援対象者(以下「対象者」という。)とは、市内に在宅で生活する40歳以上の者で、認知症が疑われる人又は認知症の人のうち、次の各号のいずれかに該当するものとする。

(1) 医療サービス又は介護サービスを受けていない者又は中断している者で、次のいずれかに該当するもの

 認知症疾患の臨床診断を受けていないもの

 継続的な医療サービスを受けていないもの

 適切なサービスに結びついていないもの

 介護サービスを中断しているもの

(2) 医療サービス又は介護サービスを受けているが認知症の行動及び心理症状が顕著と認められるもの

(支援チームの構成)

第8条 支援チームの構成員(以下「チーム員」という。)は、専門職2人以上及び専門医1人の合計3人以上で構成し、市長が委嘱又は任命する。

2 専門職は、次の各号のいずれにも該当する者とする。

(1) 保健師、看護師、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士又は介護福祉士等の医療保健福祉に関する国家資格を有する者

(2) 認知症ケア又は在宅ケアの実務及び相談業務等の経験を3年以上有する者

(3) 国が定める認知症初期集中支援チーム員研修(以下「研修」という。)を受講し、必要な知識及び技能を習得した者

3 前項第3号の規定にかかわらず、研修を受講していない者がチーム員として従事する場合は、研修内容を支援チーム内で共有することを条件とし、チーム員として従事できるものとする

4 専門医は、次に各号のいずれかに該当し、かかりつけ医の認知症診断等に関する相談・アドバイザー役であり医師会と地域包括支援センターとの連携づくりを担う認知症サポート医養成研修修了者とする。

(1) 公益財団法人日本老年精神医学会(以下「精神医学会」という。)の定める専門医

(2) 一般社団法人日本認知症学会(以下「認知症学会」という。)の定める専門医

(3) 認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務として5年以上の臨床経験を有する医師

5 第1項の規定にかかわらず、前項に規定する専門医の確保が困難な場合は、当分の間、次に掲げる医師を専門医とみなすことができる。

(1) 精神医学会若しくは認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務として5年以上の臨床経験を有する医師であり、今後5年間でサポート医研修を受講する者

(2) 認知症サポート医であり、認知症疾患の診断及び治療に5年以上従事した経験を有し、認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図っている者

(認知症初期集中支援推進事業の内容)

第9条 認知症初期集中支援推進事業の内容は、次の各号に掲げる業務を行うものとする。

(1) 支援チームに関する普及啓発

(2) 認知症初期集中支援の実施

 対象者の把握

 情報収集、観察及び評価

 初回訪問時の支援

 専門医を含めたチーム員会議の開催

 初期集中支援の実施

 引き継ぎ後のモニタリング

 支援実施中の情報提供

(検討委員会の設置)

第10条 市長は、東松島市認知症初期集中支援チーム検討委員会を設置し、支援チームの活動状況又は認知症の早期診断及び早期対応に向けた検討を行い、地域の関係機関と連携し、一体的な事業の推進を図るものとする。

第3章 認知症地域支援・ケア向上事業

(認知症地域支援・ケア向上事業)

第11条 市は、この章の定めるところにより、認知症に対する医療・介護等の連携強化等による地域の支援体制の構築と認知症ケアの向上を図ることを目的とする認知症地域支援・ケア向上事業を実施する。

(認知症地域支援推進員の配置及び役割)

第12条 認知症地域支援推進員(以下「推進員」という。)は、地域包括支援センター等に複数配置するものとする。

2 市は、必要に応じて、宮城県と連携を図り、研修会、関係者によるネットワーク会議等の機会を通じて、推進員の活動を行う上で有すべき知識の確認と資質の向上に取り組むものとする。

(推進員の業務内容)

第13条 推進員の行う認知症地域支援・ケア向上事業の内容及び方法は、次に掲げるとおりとする。

(1) 認知症の人に対し、状態に応じた適切なサービスが提供されるよう、地域包括支援センター、医療機関、介護サービス事業者、認知症サポーター等、地域において認知症の人を支援する関係者の連携を図るための取組を行う。

(2) 推進員を中心に地域の実情に応じて、地域における認知症の人とその家族を支援する相談支援又は支援体制を構築するための取組を行う。

(3) 医療機関、介護保険施設等の職員の認知症への理解を深め、対応力を高めるために、処遇困難事例についての相談があった場合には、事例検討を行い、個別支援を実施する。

(4) 認知症の人の家族に対する支援事業を行い、認知症の人とその家族を支えるつながりを支援し、認知症の人の家族の介護の負担軽減を図る。

(5) 認知症の人、その家族、地域住民、専門職等が認知症カフェ等の形態で集う取組(以下「認知症カフェ」という。)等の開催と相談事業並びに支援を行う。

(6) 認知症カフェ等を通じて、顔なじみになったボランティアや認知症の人の家族の方が「認とも」として、認知症の人の居宅を訪問して、一緒に過ごす取組の実施

(7) 認知症の人の家族向け交流会や介護教室の開催

(8) 認知症ケアに携わる他職種協働のための研修事業の開催にあたり、医療及び介護は生活支援の一部であることを十分に意識し、医療介護等が相互の役割及び機能を理解しながら、総合的なケアにつなげていくための企画調整を市とともに行う。

第4章 雑則

(守秘義務)

第14条 チーム員、推進員及び委託法人は、職務上知り得た秘密及び個人情報を漏らしてはならない。また、その職を退いた後も同様とする。

(庶務)

第15条 認知症総合支援事業の庶務は、担当課において処理する。

(その他)

第16条 この訓令に定めるもののほか、事業の実施に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この訓令は、公示の日から施行し、平成30年4月1日から適用する。

東松島市認知症総合支援事業実施要綱

平成30年4月2日 訓令甲第42号

(平成30年4月2日施行)