健康づくりのための睡眠ガイド
更新日:2025年1月17日
よい目覚めはよい眠りから
心身の健康のために、質・量ともに十分な睡眠を!
睡眠は、こども、成人、高齢者の健康増進・維持に不可欠な休養活動です。
睡眠の役割は、1日の心身の疲れを癒すだけではありません。
睡眠の質が悪化すると、さまざまな疾患の発症リスクが増加し、寿命が短くなるリスクも高まることが指摘されています。
また、眠気や疲労が原因で起こる事故やケガのリスクも高くなります。
睡眠休養感を高めよう
年代や個人によって、必要な睡眠時間は異なりますが、
良い睡眠のキーワードは睡眠による「休養感」です。
朝、目覚めたときに、「ぐっすり眠って疲れがとれた」感覚はありますか?
いくら睡眠時間を確保したとしても、この感覚を得られなければ、理想的な睡眠とは言えません。
睡眠には1日の活動でたまった疲労を回復し、ストレスを解消する役割があります。
十分な睡眠時間を確保することと同じくらい「ぐっすり眠って疲れがとれた」感覚(睡眠休養感)が心身のため大切です。
睡眠休養感を高めるために
●適度な睡眠時間を確保しましょう
●生活習慣(食生活・運動)を見直しましょう
●寝る前のリラクゼーションをしてみましょう
●寝室を快適にしましょう
●嗜好品(カフェイン・アルコール・ニコチン)の取り方に注意しましょう
短い睡眠時間、なにが問題?
睡眠時間が極端に短いと、次のような疾患の発症リスクを高めることがわかっています。
さらに、睡眠時間が6時間未満になると、死亡リスクが高まるという報告もあります。
睡眠について知ろう
~成人編~
働く世代にとって必要な睡眠時間は6~9時間
☆日常の食生活や運動、寝室の睡眠環境などを見直して、睡眠休養感を高めましょう
☆不調・睡眠休養感の低下を感じるときは病気が潜んでいることもあるので注意が必要
~高齢者編~
寝床にいる時間は8時間以内を目安に!
☆日常の食生活や運動、寝室の睡眠環境などを見直して、睡眠休養感を高めましょう
☆長い昼寝は夜間の良眠を妨げるので、日中は長時間の昼寝は避け、活動的に過ごしましょう
~子ども編~
小学生は9~12時間、中・高生は8~10時間を目安に睡眠時間を確保しよう!
☆朝は太陽の光を浴びて、朝食をしっかりとり、日中は運動して、夜ふかしは避けましょう!
よい睡眠のために
寝室の環境づくり
光の環境づくり
・寝るときは照明は消すか、直接目に入らない間接照明のみにして、できるだけ暗い環境で眠りましょう。
・スマホ、タブレットはLEDが使用されており、体内時計に影響が強いブルーライトが多く含まれており、良質な眠りを妨げます。眠る直前までスマホやタブレットを見ることはやめましょう。
・起床後に朝日の強い光を浴びると体内時計がリセットされます。また、日中に光を浴びることで睡眠リズムを整える「メラトニン」というホルモンが夜間に多く分泌されるようになります。すると、スムーズな入眠、良質な睡眠につながります。
音の環境づくり
騒音に対する感受性には個人差がありますが、騒がしい環境では入眠に時間がかかったり、中途覚醒が増えたりするなど睡眠の質の低下につながります。外の騒音が気になる場合は、できるだけ窓から離れて就寝することも有効です。
温度
・就寝前の室温が低いとなかなか入眠できず、高すぎると睡眠時間の短縮や質の低下をおこしやすくなります。暑すぎず、寒すぎない室温を心がけましょう。
・就寝前に入浴して手足の血管を拡張させることで、スムーズな入眠につながります。
ただし、熱すぎるお風呂は交感神経が活発になり、入眠を妨げる恐れがあります。
少しぬるめの湯船にゆっくりつかってリラックスしましょう。
生活習慣と睡眠
適度な運動習慣を身につける
睡眠には日中の身体活動で消耗した体力を回復させる役割があります。そのため、”日中どのくらい活動したか”が眠りの量や質に影響します。
運動習慣のない人は、睡眠休養感が低くなります。ウォーキングやダンベル体操などの軽い筋力トレーニングで、定期的に運動する習慣を身につけましょう。
しっかり朝食を摂り、夜食を控える
朝食を食べないと体内時計がずれていき、睡眠不足になりやすくなります。また、睡眠休養感の低下につながります。就寝前の夜食や間食も、体内時計を狂わせる原因になり、睡眠休養感や睡眠の質を低下させます。
リラックスが大事
スムーズに入眠するためには、リラックスして脳の興奮を鎮めることが大切です。そのためには、寝床に就く少なくとも1時間前から、家事や勉強に追われずリラックスする時間を作るようにしましょう。
アロマや入浴、ヨガなど、自分に合ったリラックス方法を探してみましょう。
睡眠と嗜好品
カフェイン
コーヒー・緑茶・エナジードリンクなどに含まれるカフェインは覚醒作用や利尿作用があるため、眠りを浅くしたり、途中でトイレに起きたりする原因にもなります。特にエナジードリンクは高カフェインなので、飲み方に注意しましょう 。午後からは麦茶やハーブティーなどのノンカフェインドリンクを選びましょう。
アルコール
アルコールは一時的に寝つきを良くして、睡眠前半には深い眠りを増加させます。しかし、睡眠の後半の眠りの質は悪化し、目が覚めやすくなってしまいます。
ニコチン
睡眠前の喫煙は寝つきの悪化や中途覚醒の増加、睡眠の質の低下をもたらします。紙巻たばこだけでなく、加熱式たばこもニコチンが含まれるため、同様の影響があります。
睡眠障害について
不眠症
●なかなか寝つけない(入眠困難)
●夜間に途中で何度も起きる(中途覚醒)
●朝早く目が覚める(早朝覚醒)
といった症状が現れ、倦怠感や集中力の低下、日中の眠気など日常生活に支障をきたす疾患です。
うつ病や不安症をはじめとしたさまざまな精神疾患の初期症状に現れることが多くあります。
閉塞性睡眠時無呼吸
睡眠中に気道(空気の通り道)が何らかの理由で狭くなることで呼吸がしにくくなったり、呼吸が一時停止したりして、血液中の酸素が不足します。
酸素不足になると目が覚めて呼吸が再開しますが、再び眠りにつくと呼吸が停止します。
この繰り返しで睡眠時間や深い眠りの時間が減少し、日中の眠気や居眠り、睡眠休養感の低下、不眠の症状が現れるようになります。
閉塞性睡眠時無呼吸を発症する最大の危険因子は、加齢による上気道の筋力低下と肥満です。
肥満の予防・改善と、筋力維持のための運動習慣を心がけることが良質な睡眠のためにも重要です。
むずむず脚症候群
むずむず脚症候群は安静時に手足(おもに脚)に「むずむず」「ざわざわ」「冷感、ほてり」などの不快な感覚が生じ、手足を動かさずにはいられない衝動にかられる疾患です。そのため眠気があってもうまく寝付けず、不眠の症状が現れます。
女性と睡眠
睡眠は月経周期の影響を受けやすい
月経のある女性は、女性ホルモンであるプロゲステロンとエストロゲンの影響によって、睡眠が浅くなったり、日中の眠気が強まったりします。
また、月経によって鉄欠乏性貧血が強まると”むずむず脚症候群”(上記参照)が出現して睡眠を妨げることになります。対処するために、まずは月経周期を記録し、睡眠に影響が出やすい時期を把握しましょう。
そのうえで、日頃の睡眠環境や生活習慣を整えたり、嗜好品を見直したりすることで、睡眠の問題をやわらげることが期待できます。
妊婦さんは睡眠が不安定になりがち
妊娠するとホルモンの分泌パターンが大きく変化し、妊娠初期には睡眠が妨げられることがあります。
妊娠中期に、おなかが大きくなり胎動が増えると眠りが浅くなったり、夜中に目覚めたりすることも多くなります。
このように、妊娠中、約8割の妊婦さんは睡眠が不安定になり、昼間の眠気、疲労感、イライラ、集中力の低下を経験します。
妊娠中は眠りに影響が出ることを知ったうえ、心配しすぎないようにしましょう。
趣味や散歩、ストレッチなどで、心身をリラックスさせ、ゆったり過ごしましょう。
更年期の不眠は医師に相談を
女性では、閉経の前後5年の約10年間を更年期と呼びます。女性ホルモンの減少にともなって、不眠症や閉塞性睡眠時無呼吸(上記参照)などのリスクが高くなることが知られています。
また、ホットフラッシュなどの症状が重いと、深い睡眠が妨げられ、睡眠の質も低下します。
更年期の不眠症状は、その他の更年期症状の治療によって改善・軽減する可能性がありますので、まずは医師に相談してみましょう。
健康づくりのための睡眠ガイド(厚生労働省)
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
厚生労働省は、睡眠による休養を十分とれていない人が増えているとして、推奨する睡眠時間や生活習慣を世代ごとに示した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を作成しました。
どのくらい寝るのがいいのか、よい睡眠をとるためにどうしたらいいのかについてまとめています。
健康づくりのための睡眠ガイド ~ポケモンスリープ~
「ポケモンスリープ」に登場するポケモンを起用したリーフレットが公開中です!ぜひご覧ください。
厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド(ポケモンスリープ)(外部サイト)
スマート・ライフ・プロジェクト(厚生労働省)
スマート・ライフ・プロジェクトとは?
スマート・ライフ・プロジェクトは、「健康寿命をのばそう。」をスローガンに厚生労働省が行っている、国民の皆さんの健康づくりをサポートするプロジェクトです。
役立つ健康情報をWEBサイトなどで発信し、食事、運動、けんしん、そして禁煙の4つの柱で健やかな国ニッポン」を目指します。
スマート・ライフ・プロジェクト 睡眠のコンテンツ
★楽しく学ぼう 正しい睡眠★ 睡眠教室ムービー
★楽しく学ぼう 正しい睡眠★ 睡眠教室ムービーhttps://www.smartlife.mhlw.go.jp/event/correct_sleep/(外部サイト)
あなたの睡眠の質大丈夫ですか?
寝ても疲れが取れないなら要チェック!あなたの睡眠の質 大丈夫ですか?https://www.smartlife.mhlw.go.jp/event/sleep_quality/(外部サイト)
お問い合わせ先
健康推進課 健康支援係
〒981-0503 宮城県東松島市矢本字上河戸36番地1 東松島市役所
電話:0225-82-1111 内線3103、3109、3112、3114、3120~3122 FAX:0225-82-1244
